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 株式会社テクノアイ(大興製作所グループ) − 石英ガラスの加工販売

山鉾製作への挑戦


今年も2024年9月4.5.6日に東京で行われるJASISの展示会に参加する事が決まりました。
今年の展示物は「山鉾」に決定しました!
5月より山鉾の作製を開始しています。
打ち合わせから完成までのストーリーをブログでお伝えします。

山鉾製作への挑戦 ブログ① (2024年10月1日)

  1. 山鉾を作ることになった経緯、昨年の展示会について
  2. 山鉾とは
  3. 山鉾を作製するまで


1.山鉾を作る事になった経緯、昨年の展示会について

わたしたち、大興製作所は京都化学機器協会という団体に所属していて、毎年共通でテーマが定められます。
昨年は世間でキャンプが人気というニュースが多かったことから、アウトドアをテーマに、「ランタン」の製作を行いました。
それがこちらです。


実際に火をともすことができます。雰囲気があり素敵ですよね〜。
そして、今年の展示物テーマは祇園祭が有名な京都らしさを出したいというところから「山鉾」に決定しました。
そこで私たち大興グループは「山鉾」を石英ガラスで表現することにしました。


2.「山鉾」とは

〈山鉾ってなに?〉
祭りにおいて、花や人形などで飾り、引いたり担いだりして練り歩く出し物を「山車(だし)」といいます。
その「山車」の中でも台の上に山の形の作り物をのせ、矛や長刀などを立てたものが「山鉾」です。
祇園祭では山鉾巡行がメーン行事と思われがちですが、実は八坂神社の祭神は氏子の幸福を祈って市内をめぐる神輿渡御が神事として祭りの主役で、
山鉾巡行はこの神輿を迎えるためのお清めのような役割とされています。
巡行後は山や鉾には邪悪なものがたくさん乗り移っているため一刻も早く片付けることによってこれらの悪霊を封じ込める意味があるそうです。

〈山鉾の種類〉
祇園祭の山鉾は5つの種類に分けられます。
「鉾(ほこ)」
「曳山(ひきやま)」
「舁山(かきやま)」
「船鉾(ふねほこ)」
「傘鉾(かさほこ)」です。

その中でわたしたちが今回制作するのは、「鉾(ほこ)」の中の「長刀鉾」です。
鉾は、真木(しんぎ)と呼ばれる中心に取り付けられた柱の先端にそれぞれの鉾独自のシンボルが取り付けられているのですが、長刀鉾は「長刀」がシンボルです。
わたしたちが長刀鉾を選んだ理由としては、巡行の先頭を行く人気のある鉾で分かりやすいと考えたからです。

〈山鉾の大きさ〉
重量12t、高さ25m(長刀の長さは1.13m)に及ぶそうです。
わたしたちは山鉾の約80分の1のサイズで、土台150㎜、真木から長刀までを150㎜、合わせて300㎜、で制作していこうと思います。


3.山鉾を作製するまで


石英ガラスを使い、技術者のあらゆる知恵とノウハウを駆使して、5月より「山鉾」を作る準備を始めています。
弊社は火炎加工、研削加工、研磨加工、接合加工の4種類の加工技術を駆使して製品を製作しています。
今回の製作で大切にしたい事は、全ての特殊加工技術を使い、自社の良さを取り入れることでした。
それぞれの部門の技術者が集められ、部品作成の話合いが行われました。



・一階建てよりも、二階建ての方が迫力あって山鉾らしくなりそう。
・どの部品をどの加工で行うか。
・デザインは大興オリジナルのものにするか。
など様々な意見が出ました。

その意見と山鉾の模型を参考に、弊社の製図のプロフェッショナルである 火炎加工担当のMさんに各部品の製図をしてもらいました。
部品展開をして、部品の種類は22種類。
総部品数は、53パーツとなりました。
山鉾で言う「前掛け」のデザインはいくつもの製品に刻印をしてリューター経験が豊富なFさんが担当することとなりました。
焼かれて透明になった80㎜×50㎜、58㎜×50㎜のサイズの 石英ガラスのパネルにリューターでデザインを掘るか、
テープでマスキングをしてサンドブラスト加工をするかを考えます。
パネルのサイズは小さいため、大柄の模様よりも微細な柄で考えているようです。


この部品やパネルがどのように出来上がっていくのか楽しみですね。
この続きは、第2回のブログでお伝えします!

 ブログ②へつづく